フリーランス特有の問題
「お金」の心配が切り離せない
フリーランスになると会社員の時とは環境が大きく変わります。特に大きな問題となるのが「お金」です。働き方次第で収入が大きく増えるのがフリーランスの魅力ですが、会社員のように安定した収入が保証されているわけではありません。仕事内容や報酬の金額に大きく左右されるため、収入が多い月もあれば、ゼロの月もあります。フリーランスになったばかりの頃は収支がマイナスになることもあるでしょう。さらに、病気で仕事ができない場合は報酬が発生しませんし、クライアントの都合などで契約が切られるリスクもあります。
また、国民年金などの社会保険料が高くなるにもかかわらず、保障が薄くなります。収入が不安定なこともあり、働き過ぎて体調を崩してしまう人も少なくないため、病気や不慮の災害に備えて民間の保険に加入したほうがいいでしょう。特に子どもがいる人は学資保険や死亡保険を厚くするなど、保険を見直すことをおすすめします。老後資金も心許ないため、個人拠出型年金やiDeCoなどの資産運用も欠かせないでしょう。
このように、生活費と貯金、投資のバランスを考えて、将来に備えることが大切です。フリーランスに転身した場合、今後5年間は収入が不安定になると考えておいてください。大きな受注があり収入が増えたとしても、収入が最も少なくなる月を基準に生活費を設定し、残りは貯金に回すようにしましょう。
税金について
フリーランスと会社員では保障の適用範囲も異なります。例えば、会社員が加入する社会保険や厚生年金には、出産手当金、病気やケガで休業した場合の傷病手当金、雇用保険などが含まれていますが、フリーランスが加入する国民健康保険や国民年金にそれらはありません。さらに、会社員は保険料を会社と折半し、毎月の給与から天引きされているので税金の支払時期に慌てる必要はありません。
しかし、フリーランスは税金や社会保険料の支払いをすべて自分で行わなければなりません。会社員時代と同じようにもらったお金をすべて使ってしまうと税金が払えなくなります。将来支払う税金や保険料の支払い時期を把握した上で、受け取った資金を適切に管理しなければなりません。
他にも、前々年度の課税売上高が1,000万円を超える事業者には消費税の納税義務が生じ、事業所得が290万円を超える事業者には事業税が課税されることも覚えておきましょう。
こうした税金の申告手続きはフリーランス特有の問題であり、大きな負担でもあります。