可能な限りお金を確保しておこう
最も信用を得られるのは「現金」
現金が多ければ多いほど信用を得ることができ、少なければ少ないほど信用を得るのが難しくなります。そのため、社会的信用を高めたいならまず貯金額を増やしましょう。毎月一定額を普通預金口座に入金する方法が一般的ですが、金融商品を使って資産形成をすれば貯金のスピードを上げることができます。最近はNISAの少額投資非課税制度やiDeCoの所得控除を利用して、効率的に資産形成を行う人が増えています。これらの制度も利用し、少額でも貯金することを意識するようにしてください。
平均貯金額について
中小企業庁委託の調査データによると、フリーランスの平均貯金は0~300万円未満の層が6割近くを占めており、そのうち約半数(40.9%)は貯金額が100万円未満でした。手取り収入が100万円から300万円未満の人が36.8%なので、比較するとこの貯金額はやや心許ないといえるでしょう。
フリーランスとして活躍している人のうち71.6%が不安や悩みがあると答えていましたが、その中で多くの人が挙げていた回答が「収入の不安定さ」でした。事実、フリーランスの中で最もボリュームが多いのは手取り収入が400万円未満の層ですが、収入が不安定なせいか、上記に記述しているようにあまり貯金ができない人のほうが多いようです。そのため、「フリーランスはあまり貯金ができない」といわれるのでしょう。
必要なのはどれくらい?
フリーランスが安心して生活するためにはどれだけの貯金が必要なのでしょうか。
少なくとも半年は生活できるだけの貯金が必要です。フリーランスになる前やなりたての時は事業が軌道に乗るかどうか不安なことも少なくありません。安心して仕事に集中するためにも、最低でも半年は生活できるだけの貯金を確保しておきましょう。例えば、月15万円で生活しているのであれば、15万円×6カ月なので90万円の貯金が必要になります。
半年分、というのは、収入がゼロでも貯金があれば生活できる金額であり、仕事が軌道に乗らなくても貯金があることで精神的なストレスを軽減できる金額です。また、フリーランスを諦めて就職活動をすることになった場合に資金として活用することもできます。
仕事がなくても半年間は生活できる貯金があれば心理的な負担を軽減でき、安心感を得られるでしょう。それに、貯金があるだけで目先の収入に捉われず、自分のスキルアップにつながる仕事や、単価は安くても本当にやりたい仕事にチャレンジしやすくなります。その仕事が重要な実績となり、より大きな仕事につながるので、将来のことを考えても半年分の貯金が必要です。