そもそも社会的信用とは何か?
「社会的信用」とは何か?
「フリーランスは社会的信用が低い」といわれることも少なくありませんが、そもそも社会的信用とは何を指しているのでしょうか。
「どんな人なら信用できるのか」を想像してみるとわかりやすいでしょう。会社や組織に所属していると大抵、何らかの肩書がついています。「○○会社△△部」というように、名刺には会社名や部署名が書かれているので、クライアントは個人のスキルはもちろんですが、所属している会社や部署といった背景を考慮して取引するかどうかを決めています。
「この会社はしっかりしているからきっと大丈夫」「問題があっても他の担当者に変えればいい」「以前この会社と取引した時によい結果を出しているから今回も安心」といったように、担当者だけでなく背後にある会社そのものを信用しているからこそ取引に応じているわけです。しかし、フリーランスになると「会社の信用」という後ろ盾がなくなり、個人の力量で勝負することになります。もともと顔見知りだった人ならどのように仕事をしているのか知っていますが、そうでない場合は一緒に仕事をする時に初めてどのような人なのかを知ることになります。「仕事をしていくうちに自分のことをわかってくれるはず」と思うかもしれませんが、信用はすぐに得られるものではありません。「一緒に仕事をしても大丈夫」「この人なら取引しても問題ない」と思ってもらえることが、すなわち「信用」なのです。
フリーランスになると最初は信用がない状態からスタートします。信用が得られるように少しずつ実績を積み、努力を重ねることが大切です。
信用がなくて困ること
信用がないと仕事をしていく上でさまざまな困難が生じます。例えば、フリーランスになったばかりの頃は財務状態があまりよくないため、ローンが通らなかったり、クレジットカードが作れなかったりします。また、信用が低いと取引条件も厳しくなります。納期を早めに設定されたり、そもそも案件自体を受注できなかったりなど、精神的にも大きな負担となります。
場合によっては銀行口座が作れないこともあります。審査基準は銀行ごとに違いますが、メガバンクは条件が厳しいので審査に落ちる人も少なくありません。報酬は個人口座に振り込んでもらっても問題はありませんが、法人口座や仕事用の口座のほうが相手は安心できるでしょう。そのため、できれば専用口座を準備しておきたいところですが、信用がなく銀行口座を作れないとなると、今ある口座で管理することになります。生活費との区別が曖昧になり、お金の管理が大変になるといったようなデメリットが生じます。